top of page
3454929ebb8d.jpg

​五感の記憶

私たちは外界の情報を何によって受け取っているのか!?
 
 そう! 五感によって受け取っている。
 
五感とは、視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚である。
【外界→五感→感受→潜象→判断→表現(感性)】となる。
 
例えば梅干しを想像してみる。
 
自然と舌の奥の両サイドから、唾液がじわっと出てくる。
 
これが最も判りやすい五感の記憶だ。
ベルの音と、餌やりを意図的に結び付けた「パブロフの犬」現象が五感の記憶の応用だ。
 
外界の情報を受けとる「その入り口」である五感が鈍感では、
受けとれる情報量は当然少なくなる。
 
繰り返し訓練することで、脳への記憶の回路は強固になり、どんどん高めることができる。
 
3年行えば〈ミエリン化〉が起こる。(3年は科学的に立証されている)
 
その伝達回路が太く強固になることで高速化が実現するのだ。
 
自転車や車の運転、スポーツや楽器の演奏などがミエリン化の事例だ。
 
五感の記憶は、簡単なものから次第に難しく複合的なものへと順次進んで行く。
 
五感を鋭敏にすることで、受け取れる情報量は格段にアップする。
五感の高まりと共に「運動神経」が飛躍的にアップし、驚く事にもなる。
 
例えば、シンクからお皿が床に落ちる前に受け取ったり、
包丁なども床に落ちる前に掴み取れるまでになる。
一人声を上げて感動している(笑)
 
つまりこれは、物が落ちる前に、落ちることを0コンマ何秒かの差で察知しているということになる。
トップクラスのアスリートなどは、正にこの域に達しているのだと思う。
 
それは当に「忍者のごとく」。
 
忍者は、殿様の指令を完璧に遂行しなければ、一家諸共惨殺される。
秘密が漏れてはまずいからだ。その生命への危機感が、日々の鍛錬に繋がり、五感を極限まで高めるのであろう。
 
海外のスタジオでは、最初の半年間はリラックスと五感の記憶だけを徹底的に行う所があるそうだ。
 
この方法は理にかなっている。
 
回路を意識的に強化したいのだから、集中的に行った方が効率が良いのは当然である。
 
自転車の練習を始めて、一週間やらずにいたらまた初めからやり直しだ。
 
ミエリン化するまでは、毎日5分でも良いので行うことが大切である。
『石の上にも3年』。昔の人の感受性は本当に高いと思う。
 
高められた五感の記憶の恩恵は測り知れない。
(詳しくはメルマガ配信特典の【俳優に必要不可欠な5つの鍵】を参照の事)

 

ミエリン化についてNHK、HPより引用:~//

2014年4月3日放送 1:05 - 1:55 NHK総合

NHKスペシャル 第1回 “あなたを創る!細胞のスーパーパワー”

 

 

(文中★皆川注釈)

 //スパインが動きを止めてしまっても、細胞は次の一手を用意している。

 

樹状突起スパイン(日本語: じゅじょうとっきすぱいん、英語: Dendritic spine)とは、

神経細胞の樹状突起から突き出ている小区画で、脳のほとんどの興奮性シナプスの入力を受けているトゲ状の隆起である。

神経活動などに依存して、電流の流れ方が変化したり、シナプスそのものが形成・消滅する。

この数や形状的な変化が神経可塑性(神経回路形成)のメカニズムの一つである。単にスパイン(Spine)と呼ぶこともある。”

その一手を探るため、ロサンゼルスを訪れた。
放課後の学校に子供たちが集まり、
貧しい家庭の子供たちに楽器を貸して弾き方を教える活動「ハーモニー・プロジェクト」が行われている。
 
参加している子供たちは10歳前後で、聴覚に関するスパインの活発な動きは終わりを迎えつつある。
(★この年齢以前に絶対音感を付けてあげると音楽で目覚ましい才能を発揮する可能性を得る)
 
しかしこのプロジェクトは、参加者の学業成績が著しく上がっていることから全米で大きな注目を集めている。
 
子供たちが住んでいるのはロサンゼルスでも最も犯罪率の高い地域で、
参加者の中にはホームレスを経験したり麻薬中毒者の両親と暮らす子供もいる。
 
しかしプロジェクト創設者のマーガレット・マーティンさんによると、
半数以上が高校を卒業できないこの地区で、 プロジェクトの子供たちの大半が大学進学を果たしており、
この6年では96%にもなるという。

「成長してから楽器を学ぶとどんな変化が生まれるのか!?」
 
その変化を捉えたのは、DTIと呼ばれる最新鋭の画像技術だった。
楽器を習った子供の脳の写真を見ると、神経細胞1本1本の太さが変化している。
 
この太さの変化がスパインが止まった後の学ぶ力を支えている。
 
アメリカのNIH国立小児保健発達研究所のダグラス・フィールズ博士は、
神経細胞を太くしたものの正体を30年間研究し続けていた。
 
そして、太くなっている神経細胞の部分に脂肪が厚くついているのを発見した。
 
脂肪が発見された時神経細胞自身が分泌しているものだと考えられていたが、
実は別の細胞が巻き付いていたという。
 
別の細胞とは、オリゴデンドロサイトという脳にいる細胞で、
左右に伸びた神経細胞の上を移動して、脂肪で出来た腕を巻き付けるミエリン化を行い神経細胞の動きを大きく変える。
 
脂肪が巻き付くと電気信号はその部分をジャンプするため、情報伝達が高速化される。
 
楽器を弾くときには聴覚・視覚・運動と脳の様々な箇所を同時に使う。
 
★俳優も複数の事を同時に行わなければならない。注意の集中はあらゆる状況に分散される。」」
 
こうした離れ離れの場所にある神経細胞が調和して働く為には、
信号を素早くやり取りすることが重要であり、その素早いやり取りを可能にするのがミエリン化だ。
 
新たな回路を作ることが難しくなったあと、細胞たちが編み出した戦略こそがミエリン化なのだ。
 
繰り返し努力したことに、細胞たちはミエリン化によって応えてくれている。
 
人間に特有の複雑な学習にはミエリン化が関わっており、私達の能力のほとんどはミエリン化のおかげなのだ。
 
ミエリン化される場所は子供時代や青年時代に何をしたかによって決まるため、
その人ならではの能力を持つようになるという。//
 
★何かを習得するためには順番がある。
 
例えば〈テニス〉。
まずはルールを学び、次にラケットの握り方→球を打つときの体のポジション→球をガットに対してどの角度で打つのか?→
素振りを繰り返す→球を正確に打つことができるようになる。
 
この繰り返しで、ミエリン化が達成される。
 
感受の窓口である五感を鋭敏にすることによってミエリン化を達成する。
達成されたミエリン化に因って、他の神経細胞へと情報は素早く伝達され、高速処理が可能になる。
高速処理されれることで当然余裕も生まれる。余裕が生まれれば視野は拡がる。
つまり、五感を研ぎ澄ませることで、あらゆる能力が高まるという事が言える。
 
楽器の訓練だけで、他の学力も著しく上がった結果がそれである。
 
更に俳優の場合は、感情という心理的側面へのアプローチも欠かせない。
感情の幅と深さを培い、分化する必要がある。
 
本質に根差したエクササイズであるからこそ、効率的に、同時進行で、
「全人格的能力」を向上させることが可能なのである。
 
日常的に行えるエクササイズを【俳優に必要不可欠な5つの鍵]☟のレポートにまとめた。
読んでわからない箇所があれば質問を大歓迎で受け付ける。

 

bottom of page