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心理身体訓練
創造だったら何でも
できるんだぞ!!
「心理身体訓練」とは?
マイケルチェ-ホフが、ロシアのモスクワ芸術座に在籍し、スタニスラフスキー、ダンチェンコ、ワフタンゴフ、スレルジツキー等と仕事をした16年間における中で、演技術や演出法を発展させ明確な技法とした「心と身体を開放するメソッド」である。
鳴き声交じりの声を上げているというのに、その素粒子が全く外に拡がっていない。
近くに寄って見ると、なるほど涙を流している。
「身体の中では素晴らしく感じているというのに、その感情が、未発達な身体に閉じ込められている」
こういう人は意外と多い。
音楽家は、ピアノやバイオリンなど、その楽器の扱いを修練する。では、俳優の楽器はなんであろう?
そう「あなたの心と身体」が俳優の楽器である。
台詞を言うのが俳優の仕事ではない。「俳優は全身全霊で語る」
心と体は切っても切れない関係性で成り立っている。
心と身体の調和を保ちながら、創造的衝動に反応する繊細な楽器を育んでゆく。
体の中で起こったセンセーションが、そのまま美しいフォルムとなり、素粒子となり、全身から溢れ出る楽器が必要だ。
この訓練の重要性にいち早く気づき取り入れ、研究を重ねたのが、ゼン・ヒラノである。
その原型を元に今も尚、新しいエクササイズを生み出し続けている。
千金の重みを持つ、この心理身体訓練を日本で教えられる教師は極々限られている。
次世代に受け継がれゆく遺産として、楽器育成の錬金術ともいえるこの方法は、
あなたの俳優人生を大きく変えることになるだろう。
マイケル・チェーホフ著(ゼン・ヒラノ訳)『演技者へ』
マーロン・ブランドをはじめ、ブロードウェイやハリウッドで観客の魂を揺さぶる俳優達の演技を支えるのがこの『演技者へ!』である。本書はマイケル・チェーホフ自らの俳優としての実績に裏打ちされた多くの例題を実行することで、自然に心を開放し硬直したからだを解きほぐす。まさに実践のための書である」by ユル・ブリンナー
ユル・ブリンナーが,“親愛なるチェーホフ先生”として送った手紙の一部を抜粋掲載する。
//~ピアニストであれば、自分の外にあるピアノという楽器を持ち、指を動かし困難な練習を重ねることによってその技術を獲得し、芸術家として舞台で実践し表現することができます。一方、俳優であれば、最も熟達しがたい楽器、すなわち自分自身、この肉体と感情を持った実在を扱わなければなりません。それゆえに、さまざまな演技の流派が生まれ、混乱を招いているのだと思われます。以上のような理由で、今、私の目の前の本、『To the actor!』は、全ての俳優にとっても、あらゆる創造芸術家にとっても、何物にも代えがたい黄金以上の価値のあるものです。私はこの数年間、あなたから学んだ全ての事を、俳優及び演出家として、私が携わるすべての仕事に適用してきました。例えば、劇場のみならず、テレビでも、すなわち、カメラワーク、背景のデザイン、並びに生放送でも。~~~いわゆるあなたの「創造過程」と称するものを習得するための、貴重な近道を示してくださったことに、あなたに感謝の念を表すばかりです。//
『演技者へ!』は正に実践の書である。言葉という知的概念だけでは体得することはできない。
実際にやってみることによってその答えが得られることだろう。
繰り返し鍛錬することによって、想像から創造への回路を育んでいく。
それは、スタニスラフスキーシステムも然りである。
ideaの初公演の写真より~
3分の2以上が初舞台だったが、このフォームに演出の私は
一言もサゼッションをしてない。する必要がなかったからだ。
俳優同士も一言もすり合わせを行っていないにもかかわらず、
全体性が保たれながらも各々の個性が、
美しいフォルムとなって表現されている。
演出の私自身がその訓練の効果に一番驚いたほどだ。
訓練された俳優は、舞台稽古がレッスンの場にならずに済む。
またプロとして、そうでなくてはならない。
正しい適切な訓練を行いさえすれば、誰もが体得できるものであることが証明された。
右の写真のシーンは、舞台スタッフの間でも”ああ、なんかセクシャルな気分になってもぞもぞしてくる~
俺もあの役やりたい!うらやまし~”という声の上がったシーンだ。
観客を演者と同等のセンセーションで満たし、感染させるためには、
俳優の体の中で渦巻く強いセンセーションとリアリテイーが必要だ。
そして、心で感じたことがそのまま美しいフォルムとなって
自然と表れ出る身体でなければならない。
楽器の育成のためには、様々なエクササイズを段階的に行っていくことが重要だ。
要は「急がば回れ!」
付け焼刃的にやり散らかしてはどれも身にはつかない。
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